2021.01.30 02:40自分を好きになる方法というタイトルの、本谷有希子による小説があったなとこれを書いていてふと思う。本谷有希子の小説を最後に読んだのはいつだろう。『静かに、ねえ、静かに』のあと、新刊って出たんだっけ。読んでも読んでも、全てを覚えていることはできない。それがたまに、私を少しだけ悲しませる。makes me sad.年末に、自分の持ち物と部屋を整理した。従妹たちに譲る服を選別し、あとは衣装ケースをひっくり返してゴミ袋二つ分の...
2021.01.21 14:38嫉妬の焚き火で暖でも取ってろ自分より年下の人が才能に満ち満ちていたり、私よりも教養深かったり、思慮深かったり、そして実際成功していて、光を浴びて、喝采の中にいるのを見ると、私の心は嫉妬で燃える。自分より年下の人の才能や教養や思慮深さを羨むとき、私はその人になりたかったと心底思う。その人として生まれたかったし、その人の人生を生きたかったと、自分の人生全てを棚に上げて、いつもいつも、心底思う。年下でなくても、私はいつも、比べる相...
2021.01.20 13:44君と鏡越しに出会える日まで「今日はどんな感じで」「これから仕事が忙しくなるし、ちょっと気合い入れたいんで、なんかアナーキーな感じにしてください」そう言うとヨシカワさんはしばらく「うーん」と唸り、首を傾げ、襟足ばかりが伸びた私の髪に手櫛を通し、それから手をいっぱいに広げて私の頭の形をいろんな角度から眺め、耳に少しかかった横髪をなんとなく持ち上げて、天井を見上げた。それからヨシカワさんはその姿勢で5秒ほど固まり、何かが「降りて...